ミスターレディ(1)
二卵性双生児の太郎と花子。
太郎は男の子だけど、心は女の子。
花子は女の子だけど、心は男の子。
でも、園丘家では、男は男らしく、女は女らしくと育てられてきた。
フラストレーションがたまった二人はある日お互いをチェンジしようと思いたつ!!太郎と花子のおばあちゃんが、ついに長年研究を続けてきた青いバラを完成させる。
ところが、商売に利用しようとしたパパのライバル会社の娘・りり子、ロンドンからやってきたケーキ屋・ブルーがもらったバラは白いバラに戻ってしまう。
牧逸馬は、昭和初期文壇に彗星のように現れ、30代半ばという若さで急死した。
当時文壇のモンスター≠ニ称されたマルチ作家。
人間の深奥の怪異な世界を写しとった『世界怪奇実話』の他、谷譲次名でアメリカ放浪物を、林不忘名では『新版大岡政談』で怪剣士・丹下左膳を創作するなど、ほとばしる才気を発揮した。
本作品は、ミステリーというジャンルに入るものだが、怪異とナンセンスの渾然一体が魅力の作品群。
表題作の他、爪/窓の凩/死三題/闇は予言する/上海された男/七二八号囚の告白/神々の笑い/七時○三分/等を収録。
解説・中島河太郎。
本巻解説で尾崎秀樹氏は、牧逸馬は「ヨーロッパ各地をまわり、(第一次)世界大戦後の読者の関心がフィクションからノン・フィクションへ移行しつつあることを、ジャーナリスティックな目でよみとっていた」と指摘している。
これが、この作家が今に新鮮さを失わない理由と思われる。
表題作の他、百日紅/民さんの恋/舞馬/赤ん坊と半鐘/十二時半/ちょっとした事で/水夫と犬/碁盤池事件顛末/海へ帰る女/ギャングを語る/西洋怪異談/西洋狗張子/収録。
解説・尾崎秀樹。
軽妙、酒脱、胸のすくばかりの心意気、それに確かな予言と洞察に満ちた、めりけんじゃっぷのアメリカ三界放浪記。
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