サンクチュアリ(5)

サンクチュアリ(5)

浅見に痛烈な批判を浴びたことで、若手政治家のリーダー・狩谷は現在の日本の政治の在り方に疑問を感じ始めていた。
浅見が苦言を呈したのも、狩谷を中心とする団塊世代の議員グループ「70年会」の力を利用できないかと考えたためだ。
同じ頃、北条の策謀により暗殺された今井武山連合総長亡き後の体制を『武山連合の四天王』(松田、加藤、宮村、徳田)が話し合っていた。
浅見と行動を共にすることを決意した猪狩は、民自党の伊佐岡に離党届けを提出する。
浅見は、この猪狩を中心とする団塊世代の議員グループ「70年会」による政権奪取を目指す。
北条は日本最大勢力の組織「神戸山王会」を訪れ、三代目の緒方に山王会の関東からの全面撤退を要求する。
この要求は、山王会の注意を関東に引きつけておくことで、九州制圧に動きだした渡海を助ける『陽動作戦』だった。
政界の実力者、伊佐岡民自党幹事長の誕生パーティが盛大に行なわれた。
突然、その会場に浅見ら一年生議員三人と、団塊世代の代議士のリーダー・狩谷ら四人が乗り込み新政策集団「立風会」の旗揚げを宣言する。
与野党の若手議員を集めて発表された立風会の基本戦略は、なんと『憲法改正』。
これは、あえて世論に波風を立てることで、国民の政治意識を芽生えさせることが目的の戦略だった。
リゾート開発に絡む闇献金容疑を調査していた検察は、ついに政界の黒幕・伊佐岡が関与していたこと突き止める。
追い詰められた伊佐岡は、法務大臣と検事総長を伴い緊急記者会見を開く。
その席上で、問題となっている闇献金疑惑の責任はすべて故・仙石辰巳代議士にあるという声明を発表し、身の潔白を国民に訴えるのだった。
山王会四代目の伊吹が、組長を殺された長崎組の報復で銃撃された。
重態の伊吹に替わり、山王会直系の組長の武藤が強引に山王会四代目代行の地位を手に入れる。
ある日、混乱する山王会を憂えていた伊吹のもとに北条が現われる。
そして、敵対関係にあった北条と伊吹だったが、今後は極道社会の再編に向け協力することになる。
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